マルチ商法の後に「返金できます」と誘われたら|二次被害を避ける確認点
2026年10月22日に本文を全面的に書き直しました。書き直した本文は弁護士監修・技術確認の対象外です。
この記事の結論
- 被害の後に「返金手続を代行する」「国の救済制度で戻る」と持ちかけて費用を求めるのが、二次被害の典型です(消費者庁)。
- 探偵業者にできるのは調査と報告までで、返金交渉や解約交渉は探偵業法でも認められていないと国民生活センターは説明しています。
- クーリング・オフや中途解約の通知は自分で出せます。費用を払う前に、消費生活センター(188)で無料で相談できます。
マルチ商法やMLMでお金を払った後に、「返金できる」「被害を取り戻す」という連絡や広告を見て迷っている方へ。二次被害の典型と、払う前に確かめることをまとめました。
二次被害で多い持ちかけ方
消費者庁は、投資などのトラブルの後に「返金を受けるには別の商品を買う必要がある」「国の救済制度で返金を受けられる」「返金手続を代行する」と持ちかけられ、お金を求められる相談があるとして、見知らぬ業者から被害回復のための支払いを求められたらきっぱり断るよう呼びかけています(消費者庁「投資系トラブルの二次被害にご注意ください!」)。
国民生活センターも、ネットで解決方法を探して「無料相談」「返金可能」とうたう窓口に連絡したところ、実際は探偵業者に数万円の「業者の調査」を依頼したことになっていて、返金も無かった、という相談が急増したと注意を呼びかけました。自治体の消費生活センターに似た名前を名乗る例や、「訴えられる」「個人情報が漏れる」と不安をあおる例も挙げています(国民生活センター「「アダルトサイトとのトラブル解決」をうたう探偵業者にご注意!」(2016年12月15日))。この発表はアダルトサイトのトラブルを扱ったものですが、「返金」をうたって別の契約を結ばせる構図は、マルチ商法の被害の後にも当てはまります。
探偵業者や資格の無い業者にできないこと
| 相手 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 探偵業者 | 依頼を受けて聞き込み・尾行・張り込みなどの実地調査をし、結果を報告する(探偵業法第2条第1項) | 依頼者に代わって返金交渉や解約交渉をすること。届出をしている探偵業者でも探偵業法で認められていない |
| 弁護士・弁護士法人でない者 | — | 報酬を得る目的で、代理や和解などの法律事務を扱うことを業とすること(弁護士法第72条) |
表の内容は国民生活センターの報告書による整理です(同報告書本文)。探偵業者は、契約の前に業者名や業務の内容などを書面で説明しなければならないとされています(探偵業法第8条第1項)。「返金交渉まで任せられる」と言われたら、契約の前に立ち止まってください。
お金を払う前に確かめること
- 連絡してきた相手の名前と、契約書に書かれた契約の相手が同じか
- 弁護士を名乗るなら、氏名と所属する弁護士会。事務所の電話番号は自分で調べてかけ直す
- 「必ず戻る」「全額取り戻せる」と結果を約束していないか
- 成功報酬ではなく、調査費や着手金を先に払わせようとしていないか
- 費用の内訳と、うまくいかなかったときの扱いが書面で示されているか
一つでも答えがはっきりしないときは、その場で契約せず、話の内容と相手の連絡先を控えて消費生活センターに相談します。
マルチ商法でまず自分で確かめること
連鎖販売取引に当たる契約なら、契約書面を受け取ってから20日以内のクーリング・オフや、その後の中途解約は、本人が書面などで通知して行えます。業者に頼まなくても始められる手続きです。手順はネットワークビジネスの解約と在庫返品、期限を過ぎた場合はクーリングオフ期限切れの対処にあります。
すでに払ってしまったとき
返金代行や調査の業者に払ってしまった場合も、契約書、振込やカードの明細、やり取りのメッセージを保存し、消費者ホットライン188で最寄りの消費生活センターに相談してください。相手が連絡に応じない、脅すようなことを言うといった場合は、警察相談専用電話(#9110)も使えます。マルチ商法そのものの被害と、返金代行の被害は、資料を分けて整理しておくと説明しやすくなります。
相談前に保存する証拠
契約書面・概要書面
受領日、記載内容、解除条件、統括者情報を確認します。
勧誘メッセージ
LINE、SNS DM、メール、セミナー案内、紹介者の説明を保存します。
退会・返金申請履歴
申請日、相手の返信、引き止め、追加提案の内容を保存します。
よくある質問
「返金を手伝う」というDMが届きました
すぐに返信や支払いをせず、相手の名前・連絡先・提示された費用を控えてください。消費者庁は、見知らぬ業者から被害回復を名目にお金を求められたら、きっぱり断るよう呼びかけています。
探偵に頼めば業者の居場所が分かり、返金されますか
探偵業者ができるのは調査と報告までです。調査で相手の情報が分かっても、それで返金されるわけではなく、返金の交渉は探偵業法でも認められていません。
弁護士に頼むのも二次被害になりますか
弁護士に依頼すること自体は二次被害ではありません。ただし弁護士をかたる例もあるため、氏名と所属弁護士会を確かめ、費用と見通しの説明を書面で受けてから依頼してください。
詐欺相談LINEで、契約内容と証拠を整理しましょう
追加で支払う前に、勧誘経緯・契約書面・支払い方法・借入状況・相手とのやり取りをチェックリストで整理できます。返金や解決を保証するものではありません。
詐欺相談LINEでチェックリストを受け取る個別の法的判断や返金可否は、弁護士確認後のご案内となります。